お菓子作りのコツ: 卵黄!
今回は卵の黄身バージョン。卵黄そのものを使うのは、やはりクレーム・パティシェール(カスタード)、クレーム・アングレーズとかクリーム系が多い。もちろん、卵黄だけのプリンとかもそうだけれど。そして、クレーム・ブリュレもあるね! その卵の黄身さん。大部分が脂 ...
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今回は卵の黄身バージョン。卵黄そのものを使うのは、やはりクレーム・パティシェール(カスタード)、クレーム・アングレーズとかクリーム系が多い。もちろん、卵黄だけのプリンとかもそうだけれど。そして、クレーム・ブリュレもあるね!
その卵の黄身さん。大部分が脂質、そして約3分の1がタンパク質。脂質の中でも、乳化剤になるレシチンが多い。レシチンとは?ウィキペディアによると、
グリセロリン脂質の一種。自然界の動植物においてすべての細胞中に存在しており、生体膜の主要構成成分である。レシチンという名前は、ギリシャ語で卵黄を意味するレシトース(Lekithos)に由来する。
料理のソースを泡立ててそれをキープさせる力を発揮する、大豆由来のレシチンもあるけれど、卵黄もレシチンが豊富だったと知って、ビックリした修業時代。
卵黄のレシチンが焼き菓子の焼き色を付けるひとつの道具。他は砂糖やバター!
上の画像は、すべて卵黄が決め手のお菓子たち。クレーム・アングレーズの写真が見つからなかったので、掲載していませんが、クレーム・アングレーズはソースや、他にはババロアのベースとしても使われる。
卵黄のコツ、その1: 卵黄に砂糖を混ぜようとして、ほぐした卵黄に砂糖を入れて、そのまま放っておくと、卵黄の中の水分を砂糖が吸ってしまい、ガチガチに固まるので注意!!!すぐに混ぜましょう~☆
卵黄のコツ、その2: クレーム・アングレーズにしても、プリンにしても、加熱し過ぎると、『ス』が入って、舌触りが悪くなる!卵黄はだいたい70℃あたりで完全に凝固するタンパク質の働きがある。
プリンを湯せんをして100℃ぐらいのオーブンで焼き上げるのは、この水分で直接、熱が当たらないようにクッションの働きをするから。それと、クレーム・アングレーズもそうだけれど、卵黄の準備をすることが大切。
それは!まずは砂糖を混ぜたら、完全に乳化させること。白っぽくなるまで、空気を含ませて混ぜるということ。これで、温かい牛乳を入れたときにすぐに固まらない働きをさせる。つまり、砂糖を加えて、よく混ぜることによって凝固を遅らせること。そして、温めた(60~80℃ぐらい)牛乳を入れて手早く混ぜることによって、反対に熱がまんべんなく早めに伝わって、再び加熱した時に延々と卵黄に火を通す必要がないので、凝固する失敗が少ないという利点がありますよ~!
ちなみにクレーム・アングレーズは82℃が限界点。70℃が卵黄が凝固する上限温度だけれど、12℃の差?それは、砂糖や牛乳が入っているから、それがやはりクッションの役目をして、卵黄が完全に凝固するのを緩和させるから。クレーム・アングレーズは、慣れないうちは温度計を使った方がよろし!
クレーム・アングレーズに火を通し過ぎると、水分と卵黄が細かく凝固(ほら、卵黄の中のたんぱく質は、泡だて器で細かく砂糖と牛乳に混ぜ込んであるから、細かく凝固する)したものに分離する。分離したら、もうあきまへん。もう1度、作り直しましょ~!
で、70℃以上になってきれいに水分(牛乳)と合わさって、とろみが付いたら成功したクレーム・アングレーズになるので、きちんと温度管理が必要です。最初の頃はね。木べらにクレームを付けて、指でさっと一拭きしてみてその筋が保てたらパーフェクトな出来上がり。筋が流れて来たら、まだ出来上がっていないという合図。学校ではこうやって習いました。
万が一、ほんのり凝固しても大丈夫。濾してみると、案外と大丈夫な時もある。それでも分離したような細かいザラザラになったら、もう1度、作り直し。
クレーム・アングレーズを作ると、ほろ苦い出来事を思い出す!笑
それはオテル・ド・クリヨン時代。入った直後、私が作ったのは牛乳が2~3リットルぐらいのクレーム・アングレーズ。夜、働いていたので、パティスリー室は多いときでも3~4人。昼間の十数名と違って人気がない。
でっかい寸胴鍋で作るのだけれど、重いので、必ず先輩の男子のパティシエが牛乳を温める時には火からおろしてくれる役目をしてくれて、さらに最後の濾すことも手伝ってくれた。
ちゃんとそれこそすごい量の卵黄(30~45個分)と砂糖を混ぜて作るのだから、大変。あれをするとバニラもたくさん裂いて入れて(超一流ホテルだとバニラの量が半端じゃないっす!)かなり、高価。
それこそ巨大な泡だて器を使って、足台に乗って寸胴鍋をかき混ぜるのは、魔女の気分。
でも、失敗したら、あなた、それこそ~! 最高級タヒチ産バニラ1本、どれくらいの値段か忘れたけれど、とにかく最高級のタヒチ産バニラをたっくさん使用する(ちなみにアメリカのホテル時代も、1本20ドル=2,000円以上よね!のタヒチ産バニラを使っていたから、同じくらいの値段だと思う)から、大目玉、間違いなし!!!
気が張るクレーム・アングレーズ。そして混ぜていたら、もう臨界点。温度計なんて使わない。すべてパティシエの勘どころ。笑
『ああ~!!!!エイデ・モア(Aidez-moi=助けて)!』と叫んだのに、私の先輩のカミーユはミシュラン2つ星のホテル内のレストラン、レ・ザンバセダのデザートを作っている最中だったから、すぐには来れなかった!
慌てた私が出来たことは火を止めること。でも予熱で、だんだんと凝固が激しくなっていく!!!気が狂ったように泡だて器を回し続ける私。せめてこの寸胴鍋をコンロから下せる腕っぷしがあればいいのに、と思うけれど、できないもん!
カミーユが来たときには、もう絶望の淵に立っていた私… ちょっと、この失敗、何万円!?真っ青になっていたと思う。
そのカミーユは、私に違う寸胴鍋を持ってくることを命じ、持って来た私にシノワ(大きな三角錐のような濾し器)を渡して、その上に乗せて持っていることを言いつけた。そして即座にこの凝固したクレームをシノワに流し込み、おたまでガシガシと濾していったら… あ~ら。不思議!大量のクレーム・アングレーズだったので、濾すことによってなんとか見かけがマシなクレームになっていた…たくさんのバニラの粒々でカモフラージュ出来ている!?どうやら、ギリギリでごまかしが効いた。よ~く見ると、ヤバい気もしたけれど、カミーユが大丈夫だよ!と言ったので、ホっとした。あの時の安堵感☆
そこにシェフ・パティシエが戻って来て、ドキっとする私に、いたずらっ子のようにカミーユがウィンクした。『何にも言うな』という暗黙の了解のウィンクだった。2人で共有する秘密。笑
私が失敗すると、カミーユの現場監督がよくなかったということになるから、共謀したというわけ。
そのカミーユは、24歳の若さで、ミシュラン3つ星のあのムーリスホテルのシェフ・パティシエになった。異例の大抜擢された才能あふれるパティシエ。今は、どこに行ったのか、分からないけれど。アルザス出身の金髪で青い目の天才的パティシエのカミーユにはいろんなパティスリー救済法101を教えてもらった思い出が☆
ちなみに、プリンの出来は、ゆすった時に中央がかすかにプルルと揺れる程度が、出来上がり。
『ス』は、プリンの水分が加熱することによって飛んで、卵黄のタンパク質が凝固した部分がアバタのように残ることによって起こるよ。
反対にクレーム・パティシェールは反対に沸騰させて、さらに1分以上加熱して(ひっきりなしに混ぜるけれど)、完全に固まらせる。これをしないと冷めたときに、極ゆるいクリームの出来上がりで、ペケ。お断りしておきますが、一番上のクレーム・パティシェールみたいなものは、これはクレーム・レジェール。つまりクレーム・パティシェールに泡立てた生クリームを混ぜたクリームなのでゆるく見えます。
クレーム・パティシェールには、小麦粉やコーンスターチのようなグルテン分が入るので、これで卵黄が水分から分離するのを防いでいるというわけ。反対にとろみをつける粉類に完全に火が通らないと、固まらない。
気を付けましょ~!
で、卵黄を使うお菓子ね。
これはクレーム・ブリュレ。卵黄と砂糖と牛乳とで作る。バニラを入れたら、普通のクレーム・ブリュレ。これはローズの花びらを煮出して作ったクレーム・ブリュレ・ア・ラ・ローズだった。中はとろりんとしているよ。
火を通しすぎないようにお湯を張った天板で蒸し焼き。それもごく低温で。中央がフルルンとかすかに揺れる程度で出来上がりなのは、プリンと同じ。
これはレモンクリームのタルト。卵黄とレモン汁と砂糖で作る。硬く見えるのは、発酵バターを入れてホィップしているから。
それと、このブルターニュ地方の郷土菓子のガレット・ブルトンヌ。卵黄で作るよね。卵黄のたんぱく質使いでサクサク感を楽しむ。で、ザックザクにする裏ワザは、卵黄をなんと加熱して(電子レンジでチンして)、裏ごししたものを加えること!!これはパティシエの技。
他に卵黄を使って、ほんのり甘いサバヨンソースを作って、グラタン皿にオレンジとかを切って果肉を並べて、このサバヨンソースをかけて粉砂糖を振りかけて焼くと、美味しいアツアツのデザートに☆
今日は、さっくりと卵黄の話。こういうふうにお菓子の材料の特性を知っておくと、自分でレシピを作るときに大変役に立ちますよ~!それが分からずにレシピを作っても、当たり障りのないものしか出来ないから。美味しいものを作るのには、材料、作り方、レシピの塩梅。これでしょ、お菓子の場合は!
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私、風邪引いた~!?なんで?昨日、どうしても人手が足りなくて、夜、仕事に行った。お皿洗いや、デザートの盛り付け、レジ打ちをやったのだけれど、やはり大変だったみたい。
今朝、頭痛で起き上がれなかった。
今は、薬を飲んでちょっとよくなった気がする。
ちゃんとうちでリハビリをしているよ~☆ だけれど、ちっとも足指の反りがよくならない。果たして、どれくらいやったら、このこわばりがなくなるんだろうか?ネット検索して、他にもいろんなリハビリを始めてみた。凝り性の私は、やるとなったら、徹底的。でも、今日はちょっと調子が悪いから、1日坊主かな。笑
足の反り運動はベッドの中でも出来るし、それだけしとこ。
クリスマスレシピを探しているのなら、初級から上級者まで参考になるこちら!
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お菓子便、更新しました。今度は短期間ですが、栗三昧、栗泥棒モンブランタルトと、2013年クリスマスケーキ(ノエル1とノエル2)を2種類、そして極旨シュトーレンを乗せました。よろしくお願いします~☆
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フェイスブックばかり更新して、裏ブログをなかなか更新できませんでしたが、やっと更新しました。今回は、『香茸をいただく。』です。ぜひご覧くださいね!
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そして私、panipopoは、大手ラッピング・包装資材の専門会社Cotta*さんと提携を結んで、月に2回このブログには載せないレシピを掲載しています。 素敵なラッピングなどやお菓子作りには欠かせない容器や材料が揃っている会社ですが、私もよくブログで使ってます。。
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