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日本百名山のひとつ、その中で一番低い山が筑波山。うちからよく見える山なのだけれど、中学生以来、登ったのは久しぶり。西の富士山、東の筑波山と言われるらしいけれど、なかなか美しい山でもあるのね、実際に。ウィキペディアによると、山全体がご神域として崇められて、霊山と知られるとのこと。初めて知ることばかり。小・中学校の遠足で登ったことしかなかったので、今回はpaniヴァンと一緒に登ってみました。

明日で日本に来て4年。記念日を前にして、いつも窓から眺めている筑波山に登ることにしたのは、6ヶ月前にテニスでアキレス腱断裂をして手術後も順調でやっと走れるようになったから、お礼参りのような、そして、「Wおめでとう!(日本で4年間頑張って来たことと、走れるまでに順調に回復したこと)」の意味を含めての登山になりました。

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男体山の御幸ヶ原(みゆきがはら)コースから登り始めた。標高差は610mで、なかなか険しい道のりとあったので、心つもりをしましたよ。

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巨木ばかりで、まさしく霊山と言う感じ。暑い日にもかかわらず、木々の枝が自然のトンネルとなって、涼風が吹いてきもちよかった!

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パワーを感じる巨木揃いで、さぞかし夜はすごいのだろうねと思いました。山全体に結界が張られているらしいのですが、その意味が分からず調べました。

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これは三又に分かれた大木。右側はその上部。すごいでしょ~!これが1本の木。杉の木みたいでした。

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こんなところを登って行く。昔からMountain goat(北米に住む岩山羊)と呼ばれるぐらいに登りに強い私は、本当にアキレス腱断裂をしたのか?とpaniヴァンが思うぐらいに、どんどんと登って行き、20代男性以外はすべてごぼう抜きのように登れるのですね。マウンテンゴート、健在だわなんて思いながら、登りは楽し。

実は、早く苦行のような上りは終わらせたいとの一心で、私は最後の方になるとラストスパートがかかって、どんどんと行けるのですが、これは性格なので仕方なし。登りのラストはどんなに険しくても、燃える!笑 達成させたいと俄然、リポOOOOのCMのようになってしまう。paniヴァンの到着を御幸ヶ原の展望台で待ったぐらい。

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でも途中、こうやって男女川(みなのがわ)最上流の地点に止まって、その脇に流れる清水を飲んだり(柄杓が置いてあるのですよ)して、これがやがて桜川になって、霞ヶ浦に流れて太平洋に流れて行くなんて!不思議。

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こんな美しい花や、山つつじやヒメジオンなどの野花を楽しんだり。

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御幸ヶ原まで来たら、男体山山頂はあと300mとあり、どうしよう!?でも、ここまで来たら、登らないとね~!この右側の石上り。ここを経て、やっと山頂を目指せる~☆ (ここを下るのがしんどかったです、はい)

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その山頂からの眺め。こちらは男体山。ちなみに一番上の画像の眺めは女体山からの眺め。男体山は、871mで女体山は877m。男体山は、樹木が神秘的!ケーブルカーもあるので、便利。女体山にはロープウェイがあるの。

この男体山の山頂の祠にお賽銭を入れたpaniヴァンの手に蝶々が止まったので、それを撮ろうとした私の手に今度はその蝶が。そんなことをしているうちに画像はブレブレ。きっと、写真は撮るなということだったんだと思います。蝶々のシンボルを読んでなるほど、と思いました。

実は、後でまた不思議な体験をすることに。その1時間後に、女体山の祠のお賽銭箱にお賽銭を入れていたら、またあの蝶と同じ種類の蝶が近くを待っていて、ビックリしました。シンクロニシティー。

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空も快晴で気持ちがいい~!

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また御幸ヶ原まで下りて来て、小腹がすいたのでソフトクリームと甘味噌をつけたお団子を。このお団子、めっちゃウマくてこれだけ食べに登ってもいいかもと思う位。笑

一息ついて、今度は女体山の方へと歩いて。途中、美しい青紫色の花を愛でてテクテク。
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途中、ガマの口で知られる岩で、そのガマの口に小石を投げ入れる小学生たち。ついでに私たちもやってみたら。paniヴァンは成功、私はペケ。この日は小学生から中学生までたくさんの学校から遠足に来ていましたよ~!

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なぜ撮らなかったのか分からないけれど、女体山の山頂は大きな岩場で、壮大な眺め!それも柵などはないので、誤って身を乗り出したら、そのまま真っ逆さまに落ちてしまう。冬は『筑波おろし』と呼ばれる強風が吹くほどなので、晴れ渡った5月の山頂も穏やかではあったけれど、風があって帽子とサングラスが吹き飛ばされそうに。

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あまりにも気持ちいいので、しばしてっぺんの岩場で下界の様子を楽しんで。仙人になった気分~♪

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この女体山の山頂から降りる道が険しかった~!岩場だし、大きくて、それがゴロゴロ。いや、ゴロゴロじゃなくて、そびえたっているので、両手も使って小学生たちは登っていました!下りるのはもっと怖い。それも前日の雨で岩が濡れているし。女体山の方は、どうやら巨岩が多いみたいですよ。

途中のルートの写真を撮れなかったのは、下りるのだけで精一杯。慎重にならないと、とても危険だったから。なので、左は山頂付近、そして右側の写真は、その岩場の厳しい山道が終わったところにあった巨岩。

男体山から、すぐ近くにヘリコプターが飛んでいた。それも2機。一機は自衛隊のものだった。山にすぐ近くだったので、はっきりと機体が見えた。何だろう?と思っていたのだけれど、女体山を下りる道すがら、「気を付けなくちゃね。あの人、担架で運ばれるのかしら」という言葉をいくつか耳にした。

実は、この巨岩の付近で担架と消防団のレスキュー隊(10名ぐらい、あるいはもっといたかも)を発見。ある隊員たちは、下りるルートをマップで調べ、もう一人の隊員は、受け入れ先の病院に連絡を取っていた。聞こえるうめき声。必死に介護している3名の隊員たち。後は、じっと待機する隊員たち。

筑波山は、怪我人が多いと聞いたことがある。特に雨で濡れた急こう配の大きな切り立つ岩場を下りるのは、本当に難しいと思う。怪我をした方が早く病院で手当を受けられますようにと祈りながら、下山を続けることになる。

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白雲橋コースを進むと、『胎内くぐり』と呼ばれる巨岩があった。ここは密教の験者たちが修行したひとつらしい。実際にくぐってみると、なるほど!と思えた。岩盤から水が落ちてなんとなく神妙に背中がキリっと伸びる気がする場所だった。

他にも奇岩がたくさん。

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男体山の樹林とはまた違った趣のルートで、本当に楽しめました!こちらのコースは下山が95分コース。標高差も610m。筑波神社まで戻らないといけないので、必然的にこのコースを選んだのがよかったのか悪かったのか…

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この『弁慶の七戻り』を写真に収めて進む。

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途中、道が滝のようになっていて。笑

下りは立場が逆転して、長身で足の歩幅が広いpaniヴァンに追いつくのは至難の業。私は自転車でも山登りでも、下りるコースが苦手。よく転んで昔から怪我した。それに先ほどの光景を見て、怪我された人の心配をず~っと心の中でしながらpaniヴァンを追いかける。彼が日本語の標識が読めずに間違って違う道に行ってしまうと大変!なんて思うものだから、気も焦る。途中、50代後半ぐらいのご夫婦から、「急いでいますね、気を付けてくださいね」と声をかけられた時に、「ありがとうございます。早く下りたいので」と返事して5分も立たないうちに…

あっ!と思った途端、硬い岩場に滑って落ちた。衝撃が背中に走り、しりもちをついたまま一瞬、息が止まった。paniヴァンはもう見えない。あの親切に声をかけてくださったご夫婦に恥ずかしいし、ガマンして立ち上がって泥だらけの両手とお尻のまま、歩く。

痛いけれど、必死でpaniヴァンに追いついた!

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あの後小走りを何度もして、無我夢中で1時間も歩いたのだから、アキレス腱も無事に回復したんだね!と思う。まだ気が張っているから、痛くても平気。

それが駐車場まで来て、遅いランチを食べてその時に、ドクターヘリがつくば市の病院の方へ飛んでいくのが見えた。あの負傷した人が乗ったヘリコプターだ。

なんとなく、そのドクターヘリを見て安心した。車に乗り込む頃には、なんとなく背中が変。それなのに、ジムに行ってプールでウォーキングして、サウナと熱いお風呂に入ってしまった。激痛が走り、うちに戻っても背中がぁ… 見たら、右側が内出血して丸く棒で突かれたような跡になっていた。なんとその夕方、寝返りも打てないし、80代の老人のように立つのにも一苦労、咳をしても痛い、座ったら痛さに立てないというありさまになってしまった。

昨日、整形外科で診てもらったら、肋骨にヒビと思っていたら、後ろの部分の肋骨が1本折れていた。笑

なるほど。コルセット、湿布、痛み止め。後は自然治癒。20代で肋骨にヒビを入れたときには、気合でコルセットしてスキーしているうちに治っちゃったけれど、そんな無茶は効かないし。

でも、座ったまま、立ったままだと全然痛くなく、仕事もできることが判明☆ よかった!アキレス腱断裂とは雲泥の差。

ああ、引き寄せてしまったと思う。下山の苦手意識+怪我された人への過剰な心配=怪我。

しかし、不幸中の幸いは、無意識に右側に体をひねったこと。アキレス腱を切った左足をとっさに庇っただけではなく、背骨を折ることを回避した。あの岩にぶつかった時の背中の衝撃は一瞬目の前が真っ白になったから、背中全体をぶったと思っていたけれど。右側に無意識に捻っていた。

なんてラッキー!6ヶ月後にまた怪我なんて言うと、なんて不幸なの、と言われそうだけれど、少し体に不自由さがあるだけで、後は何でもできる。これで自分は不幸と見るのか、それとも背骨を折らずに、アキレス腱再断裂もなくて、後ろの肋骨1本だけだから、なんてラッキー!と思うのか。

ネガティブではなくポジティブに行きたいという私の願いを神様か宇宙は聞き届け、即答したのだと思う。試しの瞬間。

自分では、本当にラッキーだと思うよ。背骨を折ってしまったら、大変だった!!守られているね、ありがとう!

それと、「気を付けてね」と声かけてくださった優しい女性の言葉は、きっと神様の声だったのでしょうね。あの時、「急いでいますから」なんて答えた自分の浅はかさ。爆笑!

いろんな気づきがあった。

① 下りる動作と筋肉の使い方は、上りとは全く違うものであり、もっと難しい=>接骨院の先生の話。私の場合は、まだつま先の力が弱いから、下山にはもっと慎重であるべきだった。

② ネガティブなことに長いこと思いを馳せらせない。ニュートラルに受け取るべき。

③ 「気を付けてね」と言われたら、ちゃんと耳を貸すこと。

④ 一見ネガティブな事柄でも、ポジティブなことやよかった!と思えることがあるので、そのことに感謝する。

⑤ 起こってしまったことに対して、いつまでもクヨクヨせずに楽しめることは楽しむ。=>今回は、どうやったら、かがむ動作を痛くなく出来るかを実験して楽しんでます。必然的に自分の体がどうなっているのかと、知る機会に。

そして興味深いことは、ドクターヘリを見たら、シンクロニシティーがあった。あまにりもタイミングがよかったので、昨日はみんなですごいね、ということになりました!