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panipopoクリスマスお菓子工場は閉鎖しました。 工場長兼従業員のpanipopoは疲労しているのにテニスに明け暮れてストレスをぶちまけながら、夜はブログを徘徊して泥のようにグタ~と眠るという生活をこの3日ぐらい続けています。すでに2日お休みして、またお菓子を作る生活に戻るけれど、まずは明日の夜のパーティーのためにアントルメを1台仕上げるので、この準備に午後から入る予定です。
若くはないから、もう少し活性酸素が少なくなる生活をしないと、あとからシワ寄せ(文字通り、お肌と心身面で)が来そうなので、31日のニューイヤーパーティーはお断りしようと思っているぐらい。
つぶやきはこれぐらいにしておいて、パティシェになるために第3弾!オテル・ド・クリヨンで修行をしてたときのお話☆
パティスリー室は、11月の終わりになると、ますます忙しくなる。それはノエル(クリスマス)、そしてレベイヨン(ニューイヤー)と行事が続くので、その準備にとりかかかるためだ。まずは長期保存が出来るものを作り始め、温度管理が大切なパート・ド・フリュイ(フルーツのグミみたいなもの)やキャラメルなどは先輩達が、私たちひよっこは、通常の仕事の上にこんなショコラ・オランジュやトリュフ作りに勤しむ。
よく見たら、この天下のクリヨン(昭和天皇も滞在されました)でも、こんな大きなトリュフを作っているから、先日の私の四角いトリュフもこれが原点???
クリスマス近くなると、スー・シェフのフランクと一緒に250体ものサンタクロースをマジパンで作ったり...これは、もちろん2人で作ったわけではなくて、ヒマになるとみんなが取りかかって作ったのもの。顧客用のチョコレートのピエスモンテを先輩達が作ったあとにお情けで、"Joyeux Noel"のチョコレート板を貼らせてもらったり...
この右側のプレートデザートは1999年のクリスマスの仕上げだった。プレートが150枚も大理石の作業台に並べられ、その上に仕上げていく。私の役目は作った焼きメレンゲのキノコと例のマジパンサンタを乗っける役!それとフルーツを切って乗せることもしたっけ。
忙しい時にはみんな神経が尖っているし、疲れているから怒鳴る声があちこちから聞こえるし、神経が案外と細い私はいつもビクビク。そんな時には、グレイの冬の空の下、昼間は街の中をほっつき歩いたものだった。そのころの私のシフトは午後3時から11時までだったから、昼間はいくらでも遊べたのだ。
15区のアパートから、コンコルド広場まで歩いてみたり、あるいは遠回りをしてアレクサンドル3世橋を渡って、プチ・パレやグラン・パレの間を抜けてシャンゼリゼ大通りを下ってすぐのコンコルド広場に出て仕事に行ったりした。この季節のシャンゼリゼはとてもきれいだ。
こんな街角の安いひと束500円以下(当時ね)の花を買って、自分のアパートの食卓に飾ってみたり。
こんなふうな、ホテルの2つ星レストラン、アンバセダーに出すデセール・アシエット(デザートプレート)の盛り付けを手伝って、そして忙しい時には私が盛り付けたデザート皿も顧客に出されることもあった。でも、シェフ・フェルデールには、どんなに上手に作ったと思っても、いつも却下された...当たり前のことだけれど、きっと認められるには3年は早かったに違いない。なので、ひたすら、アシスタントでこんなふうに冷たいものと熱いものが並ぶデザートでは、熱いものをフライパンで作る係りが私。ところが、このデザートを送る作業台とエレベーターがあるところと、コンロのある場所は100mぐらい離れているからいつも走らないと熱いものが並べられない。だから、何回も転びそう(タイル貼りの床だし、1日2回漂白剤で磨いているから濡れていることがある)になって大変だった。今も、両腕に飴細工の飴が飛び散ったヤケドの痕とこのコンロやオーブンでヤケドした痕が残っているのも、頻繁にヤケドをしたせいだ。
最初はフランス語がおぼつかなかったし、本当にコミュニケも大変で頭がウニ状態の毎日だった。でも、出来なければ仕事がなくなる。だから、必死。
そんな中、案外とシェフ・フェルデールには可愛がられ(とげとげしい雰囲気の中で、アメリカ生活が長かった私は、いつもニコニコとしていたため)、レベイヨン(ニューイヤー)のデザート皿も一緒に作ろうと言われた。私の役目はシェフが仕上げる横で、その前にタキシードに見立てたケーキにチョコレートを詰めたコルネバッグから、襟とボータイ、そしてボタンを描く役。これを200皿仕上げた。私は絵を描いていたから、こういった作業は案外と上手に出来るのと、普段から犬のようだって言われる人懐っこさがシェフのお気に入り(つまりペットみたい。仕事が出来る訳ではない)だったので、こんな仕事が回って来た。
それが仕上がると今度は、またレベイヨンの特別企画のために仕事が終わるのは午前1時過ぎは必至だとフランクに言われていた。
ところが...私は、友達と20世紀最後の大みそかと2000年の始まりを一緒に過ごすことになっていた。コンコルド広場からシャンゼリゼのパレードを見に行く予定だったのだ。友達は2人(同じくコルドン・ブルー卒業)がパティシェの卵で、お菓子屋さん労働だから仕事はすでに終わっていた。もうひとりは台湾人のF君で、こちらはグランゼコールのポリテクニック(フランス一番のエリート校)の大学院生で、睡眠時間4時間で勉強のし通しなので、たまには遊ぼうと、これまた日本留学生のN君が誘って、そして私の女性3名+男性2名のグループ。
特別、ブリっ子(死語だね)ぶって、シェフに、「出来たら11時半までに友だちとレベイヨンのパレードを見るために仕事を終わらせてもらいたいのですが」と研修生の甘えで言ってみたら、すんなりOKをもらえた。私が外国人で、やがてはアメリカで仕事をしに帰るっていうことが分かっていたし、一人前ではないのでいても仕方がないということもあっただろう。
しかし、フランクは唖然として、その成り行きを見守っていたし、もう私をイビり始めていたOさんにも、「お前はツーリストだからな」ってイヤミを言われた。
今、考えると言語同断なことをしたのだけれど、その当時は20世紀最後と21世紀の初めを光の都パリで迎えるっていうことの方がもっと大事だった。
11時45分に待ち合わせのクリヨンの前でみんなと合流すると、凄い人の波!友達たちは手にシャンペンとプラスチック製のグラスを持っている。飲めない私も、新年のカウントダウンのためにひとつグラスを受け取った。
光の洪水が12時ちょっと前に消されて、みんなのカウントダウンする声がいろんな言語で飛び交い12時ちょうどに再びライトが灯ったときの歓声!
それから押すな押すなの人の波に加わって、凱旋門目指してシャンゼリゼのパレードを見に行った。
この大通りを見たこともないような素晴らしい山車が繰り出して、2000年の幕開けを祝った。シャンゼリゼの歩道がラッシュアワー時の山手線の車内のように人でいっぱいでひしめき合っていた。足元は空の酒びんや缶が転がっていて、道行く人々は寒さからか、それとも酔いのせいか、顔が真っ赤な人が数え切れないほど...
セーヌ川沿いに歩いて行って、反対側のエッフェル塔を見に行った。2000年のイルミネーションも輝かしくライトでその姿を寒い夜空に浮かび上がらせている塔を鮮明に覚えている。
その余韻にまだ浸りながら、翌日仕事に行くと、みんな不機嫌+不親切だった。私に付いたあだ名が「ツーリスト」。自分で播いた種だから、どうしようもない。みんなまじめに働いているけれど、私はツーリストだから、シェフに取り入って(自分ではそうは思ってなかったけれど)、早引けしたことが反感を買った。早引けと言っても、ちゃんと規定の11時までは働いたし、それよりも30分の残業だ。夕食もそこそこに切り上げて働いた。私は研修生だから、無給であった。
それでも、きっとまじめに働く人はちゃんと最後まで残って働いただろう。私はちゃっかりしているから、世紀初めのパレードを見逃すなんて出来なかった...まさしくツーリスト!だから、的を得ている。
こんな感じで、私の研修生活も、ヒビが入ってしまった新年早々。こうなったら腹をくくって頑張るほかはない。 頑張れば、いつかは認めてもらえるかもしれない、って甘い考えがあって始まった新年でもあった。フランス人はアメリカ人とも、また日本人とも違う。それがよくわかってなかった私であった。
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京都の素晴らしいお土産品が届いたクリスマスの日。その紹介は明日しますね。
*** 作ってくれましたレポートです。
『美味しい食卓~簡単幸せレシピ~』のgomako.さんが、ルージュ・エ・ブランを作ってくれました。gomako.さんは素敵なお料理を数々作ってはレシピを掲載されてます。可愛いセサミちゃんというワンコちゃんのママでもあって、簡単でおいしいお料理たちは、素晴らしいですよ☆ 遊びに行ってみてね!
*** 料理と製菓の専門書や雑誌の大御所出版社、柴田書店にリンクされています。ダラワイヨ他、一流のパティスリーや美しい本の数々を出版されている有名パティシェに混ざって、紹介されている私のブログをぜひChez Panipopo♪の『柴田書店』のリンク: カテゴリ* コンフィズリーまで見に行ってくださいね☆ そして、向こうのリンクをまた押してくださるとうれしいです。ありがとう!
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